大道具・小道具制作裏話2022③

その3〈時計と影絵〉

ひだまりです。

今年の本公演の情報が解禁になりました!

https://twitter.com/i/status/1657537067570847745

稽古もじわっと始まっております。

『フランケンシュタインの永遠』 作:ゆうと 演出:津田雅史

でお送りします!ん~楽しみ♪

大道具・小道具制作裏話も最終回です。

今回は、ついに時計です。

2022年本公演の舞台で、特に印象的な、3人の精霊が登場するシーン。

午前1時、午前2時、午前3時と決まった時間に現れます。

午前1時は過去の精霊

午前2時は現在の精霊

午後3時は未来の精霊

この時計、実は3つ作ってます。一つの時計の針を進めているわけではありません。というのも、上から吊っていて、いちいち下ろして時間を変えてまた上にあげて・・・ってやっている暇もないし、技術的にも難しい。なので、3つ作ってしまえと。

本当は、舞台の左・中央・右に釣る予定だったのですが、真ん中にレンガの壁を吊っていて、実際下ろしてみたら真ん中の時計見えないじゃん・・・・ってことになって、1時と3時を下手に、2時を上手に吊ったのでした。

時計は最初の舞台イメージを演出に提案する際に、すでにありました。本当は影絵のように後ろから光を当てて、時計のシルエットを出したかったのですが、スタッフ見せの稽古の際に、「それは無理だね・・・」と照明さんに言われてしまい、実際に時計を作って前から照明を当てることにしたのでした。

そして、この時計、どういう素材でどう作るのか、結構ギリギリまで悩んでいました。

時計のラフスケッチ

このスケッチをもとに、ホームセンターへ。

スタイロフォームを使用し、時計の枠をつくる

断熱材のスタイロフォームを購入し、90度づつ切り出していきます。

切り出したパーツを4つ繋ぐと・・・

スタイロフォームのパーツを組み立てる

黒のアルミパイプG-Funを土台にして、そのスタイロフォームの輪っかをくっ付けました。

ざっくりと形ができてきました。

針も乗っけてみました

あとは、この土台を装飾していきます。

この時点で実は本番まであと10日という・・・・

ま、間に合うのか・・・

しかも、実は後述する「影絵」もまだ出来ていない・・・

10日あるといっても、仕事も普通にあるし、動けるのは実質4日ほど。

これは?

もしかして?

間に合わない!?

助けて~と劇団員にSOSを出したところ・・・来てくれました~(´;ω;`)

canと由かりん!

救世主!

細かいパーツを仕事の合間に塗って、塗って、塗りまくる

本番仕込み前日にやっと完成!

本番前日の仕込みで、時計パーツを組み立てました。

そして仕込みが終わって、翌日本番当日。午前中のゲネが終わった後に、舞台のスタッフさんから、言われた一言。

「時計の針が一つ落ちたんだよね。一応、他の時計の針も応急処置しといたけど、こっちは構造よくわかってないから、本番までに見ておいて。多分照明の熱で両面テープの粘着力が落ちたんじゃないかな」

な、なんですと~。で、舞監さんに、時計を点検したいので下ろしてもらえますかと聞くと、

「ああ、それなら治したから大丈夫」

・・・・一抹の不安を残したまま本番へ。

そして、本番は無事に終わりました。そして、バラシで時計を下ろしてもらうと・・・・

針は応急処置で釘が打たれていました。

が!その釘が全然効いてない・・・・・。

こわ~~( ;∀;)

ぞっとしました。本番中に針が落ちなくてよかったよ~~~~。

3つの時計、今はうちのリビングにそっと置いてあります。

さて、最後に「影絵」です。

今回の舞台では、舞台の上下にスクリーンを置いて、影絵を投影したり、役者がスクリーンの後ろに立って、影を移したりするシーンがありました。

その影絵を作ります。場面によって、スクリーンの後ろに影絵をかけ替えています。影絵は合計4つ。

下絵を描いて、それを遮光カーテンの布を切ったもので、薄い農業用の不織布に貼りつけて描いていきます。

影絵については、作り直しなしの一発作成。

まぁ、作り直す時間が無かったわけですが。。。。

両面テープで薄い不織布に貼っていったところ、巻いておこうとしたら、薄い不織布なので両面テープの粘着力が透過して、巻いて収納しようとしたら、くっついちゃう!

ぬ~。しかたないので、貼った裏からさらに布を貼るというひと手間をかけました。

本番では、キャストが良きタイミングで、これをスクリーンに掛けたり、外したりするので、巻いてあったものが、するっと広がらないといけないわけです。何度か、やってみて、ひっかかったりしないように調整しました。

また、巻いてしまうと絵がわからなくなるので、キャストには取り違えないように注意してもらいました。みんなありがとう。

時計と影絵は本当に本番2週間前から手を付けたので、追い詰められ感が半端なかったです。

なんとか間に合って、本当によかった。

針も落ちなくて、影絵もちゃんと映し出されて、本当によかった。

毎年のことですが、ほぼ本番まで、大道具を試す機会は1回あるだけで、あとは仕込みまで、自分の頭の中のイメージトレーニングになります。毎回ハラハラ、ドキドキします。

ま、それが、たまらないんですけどね( *´艸`)

さぁ、今年の舞台は何を作れるのかなぁ。楽しみ~。

ひだまりでした

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