大道具制作こぼれ話

こんにちは。

ひだまりです。

さてもう6月になってしまいました。「泣いた朱鬼」配信公演後、5月中は溜まっていた仕事を一気にしあげ、やっと今日一息つけました。

今回の配信公演でも大道具を担当させてもらいました。

まずは、いつものふるさとホールではないので、いったい、どんなことができるのか。美術バトン(大道具を釣ったりするバーみたいなやつ)は、どのへんに何本あるのか。演出のemiちゃんと一緒に、ホールの下見にいくことから始まりました。

結果、いろいろと考えていた最初の企画が、なかなか実現難しいということがわかりました。本当は樹も、もっとたくさん作ったり、倒して横にしたものを、袖からバーッて出したりとか、風穴のシーンでは氷の柱を上から、づら~っと下ろしたりとか。青鬼のお家の家の引き戸を作るだとか野望は色々あったんですけど。どんどん削除して、最終形態として、大きな木と、三段の足場が残りました。

配信公演本番直前

 まず右端に写っている立札をまず作り始めました。

設計図的なもの

大体の大きさやイメージを演出に聞いて、ざっと設計図的なものを走り書きします。

それをもって、近くのホームセンターへ。軽量のもので作成するので、今回もスタイロフォームを使用。スチロールボードも使いました。

立札基本材料

ホームセンターで買ってきたスタイロフォームとスチロールボードと、今や大道具つくりに欠かせないG-Funのアルミパイプが基本材料です。

まず六角レンチでアルミパイプを組み立てます。

切り出したスタイロフォームを組み立てて、アルミパイプにつけます。正確には「差し込む」感じですね。

③基本形完成

次にアルミパイプに麻紐を巻き付けます。スタイロフォームには100均で購入した、木目シールを貼りつけます。

完成したのがこちら↓

上の部分と足の部分は分解可能

さて立札は、劇中では「現代」と「過去」をつなぐアイテムでもあります。上の写真は「過去」です。

ここから、時間が経った立札がこちら↓

劇中「現代」で登場する
時間経過を表現

終盤に現代で登場する立札は、時間経過を表すために、古い感じの木目シートを貼り、苔をあしらいました。

貼ってある紙も、障子紙を手でちぎり、紅茶に漬け込み乾燥させたものに、墨で文字を書いてから水でにじませました。

もともとの絵本「泣いた赤鬼」では、立札は木でお手紙は彫ってあり、なおかつ、わかりやすいカナ文字で書かれていたとあります。

今回のお芝居では現代のシーンで、「文字もすごい昔のだ」「古くて読めないね」というセリフがあるため、漢字の草書を採用しました。

プリントアウトしたものを写す

青鬼が書いた手紙も全部、この方式で作ってあります。はっきり言って、配信ではそこまで見えないので、完全に「自己満足」ですw

立札の次に取り掛かったのが、木です。

もともと、雷が落ちて大木が倒れるという描写があったため、大木を作りたかったのです。そして、雷のSEと光共に、倒したかった・・・。まぁその野望は叶わなかったのですが、「大木」っていうところだけ残った。

吊ってまっすぐな幹を表現し、木肌を木っぽく表現するのにどうしようかなと思っていたのですが、グラデーションにしたくて、布を細く切って吊るすことを思いつきました。

手で割いた布

上のリングの部分は実はフラフープを2つ組み合わせています。引っかける金具を布につけて、吊るしていきます。

上の部分の葉っぱは、園芸用の網に、葉っぱを取り付けてつけます。

葉を取り付けています。

実際に吊るした際は、布の隙間から後ろが透けて見えないように、不繊布を内側に吊るして2重にしてあります。

内側から見たところ

実際、私の演じた烏羽は、この大木の影にスタンバイして登場するというシーンが2度ほどありました。

完成した木

あとは、舞台向かって左に設置した3段の足場ですが、平台と箱馬でくみ上げています。

平台と箱馬で組んだセット

このままでは、見栄えが悪いので、「蹴込み」をつけていきます。

蹴込みとは、台の横面に紙などを貼って後ろを見えなくするものです。

今回は、襖用の紙がかなり安く手に貼ったのでそれを使いました。

面で色分けして蹴込み済み

配信ではちょっと見えにくい、下手側の側面。最初は貼らない予定だったんですが、一応貼りました。

この辺が一番襖っぽいw

今回の大道具はこの辺で。

【番外編~鬼の角】

赤鬼、青鬼、黒鬼の角も作っています。

鬼の角っていうと黄色と黒の縞模様?みたいなイメージがありますが・・・

それぞれの色で作ってみました。

鬼三人衆

この角、つけてるのを忘れますw一体化しちゃうw

材料は100均の粘土、毛糸、黒リボンです。黒鬼だけ、ちょっと重さがあるので、カチューシャも使用しています。

もう今週末の稽古から、11月本公演の稽古がはじまります。大道具制作も、またスタートします。

11月にふるさとホールでお会いしましょう!

ひだまりでした!

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